脱毛サロン「キレイモ」が従業員への給料未払い問題で金銭トラブルを起こしていることがわかりました。
問題は支払った脱毛プランのお金が返金されるかどうかですよね。
おそらく返金される可能性は低いと考えられます。
理由をご説明します。
キレイモが倒産したらチケット代金は返ってくる？
キレイモが倒産した場合、チケット代金が返金される可能性は低いでしょう。
法的に「顧客のチケット代金の返金」＞「従業員の給料の支払い」
もしキレイモが破産手続きを開始した場合、一般的に顧客の持っているチケット代金は「一般債権」になります。
しかし、破産した場合は「優先的破産債権」というものがあり、優先的債権は「給料の未払い」が含まれており、資産がある場合はそちらが先に充当されます。
「優先的破産債権」が返済し終わったとに「一般債権」に返済がなされるので、ほとんど返金されないケースが多いそうです。
優先的破産債権の優先順位は，実体法を反映するため，前記条文のとおり，「民法 ，商法その他の法律の定めるところによる」ことになります。
具体的には，以下の順位となります（なお，財団債権となるものは除きます。）。
1.公租（国税・地方税）の請求権
2.公課（国民年金や国民健康の保険料など）の請求権
3.共益費用の請求権
4.雇用関係の請求権
5.葬式費用の請求権
6,日用品の供給の請求権
引用元：法人・会社の倒産・破産ネット相談室
今回、既に従業員の給料の未払いが発生している状況ですので、上記の「４.雇用関係の請求権」に該当してしまい、チケット代金の返金は税金や給料の未払いが先に支払われることになっています。
キレイモがもし倒産したら返金するにはどうしたら良い？
2020年度に国民生活センターによると、エステサロンの倒産による相談は2009年以降、約500件から3,000件を超える割合で増加しています。
キレイモは今のところ、破産申告などは出していない状況ですが、従業員の給料未払いの問題について解決し、顧客の信頼を取り戻していかねばなりません。
一方、それは険しい道のりであるには間違いありません。
もしキレイモが倒産してしまったら、どうしたら良いか国民生活センターに似た事例があったのでご紹介します。
国民生活センターでエステサロンが倒産した事例
事例は少し違いますが、利用しているエステサロンが倒産し、代金はサロンが発行していたプリペイドカードで支払っていて、チャージしたお金がカードに残っていたそうです。
その場合の返金方法について「契約の解除と返金を求める書面を簡易書留等で送付すること」を勧めています。
契約解除の意思表示を示しておくことで、手続きの根拠となるそうです。
まずは事業者に、契約の解除と返金を求める書面を簡易書留等で送付しましょう。支払い済みの代金を取り戻すことは困難ですが、契約解除の意思表示をしておくことで、その後の手続きの根拠等とできる場合があります。
引用元：国民生活センター
クレジットの分割払いの契約をしている場合
国民生活センターにはもし契約時にクレジットの分割払いをしている場合は、一定の条件を満たせば、それ以降の支払いを停止することは可能だそうです。
ただしクレジットの分割払いを停止することができますが、契約の解除や既に払ったお金の返金を主張できるものではないそうです。
チケットを使い切ってしまうのも手
国民生活センターでもチケットの返済（配当）はほとんど期待できないことが書かれています。
キレイモは破産する可能性はあるものの、まだ営業を続けている状態なので予約が取れるうちに予約をして残っているチケットを使い切ってしまうのも手でしょう！